昔の肖像画のような優雅なEmile JUMEAU PREMIERE

あの方を見ると赤くなり お会いすると蒼褪めてしまう。
     見失った私の魂 取り乱す心。
 眼には何も映らない。話すこともできない。
    この身の全てが燃えるよう。 
 ビーナスの愛 あのもだえる炎を知ってしまったわたくし
    この血の中にもはや避けることのかなわね苦悶が続いてゆくのだわ。 
翻訳 市川真紀子
   ラシーヌ の悲劇 フェードル より

禁じられた愛に胸をかきむしる高貴なフェードル妃 ジュモ―が 演じます。 



1878か1879年頃 トリストもそうですが ポートレイトの首の後ろには 番号だけが彫られています。
このほっそりとした顔 と ファッションドールを名残を留めている 長めのボデイからポートレイトの中でも初期 1878頃誕生したお人形さんのようです。 8号と彫られているのですが ビスクのサイズは通常の5号か6号の大きさ。 頬がふくらんでいません。 1879年以降のお人形さんの顔は広めになります。 より子供らしさを出しアピールしようとねらったのです。 ビスクの品質はジュモ―社の苦労の種でした。 1878年 ジュモ―は輝かしい金賞をとります。 エミールジュモ―の代になってから初めての金賞でした。 当時のビスクはプレス 石膏の型版に ドロドロした粘土を流し込む型流しではなく 丁寧に手で粘度を押し付けてゆきます。微妙な線もでますし 焼き上がりのビスクの品質 もよいのですが手間がかかる作業でした。 彫刻のような繊細なビスク 美しく見開いたアーモンドアイ 細い眉 品の良いすっきりとした睫毛  小さな鼻と口元。口元の右上の微妙な窪みが 時々くすっと微笑んでいるかのような 素敵な表情があります。 口元の右上の微妙な窪みのせいでしょうか。 限りなく芸術品に近づいているお人形さんです。


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 ああ チェロの響き 葡萄の蔓のようにわたしの心に絡み 締め付けるの



王朝風のモヘアの髪が古風な顔立ちを引き立てます。
ピアスも豪華なサファイア

巻き毛はロマンチック 6号の子よりも小さい細面の顔



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